書籍詳細
- タイトル
- ジャンケン靴
- サブタイトル
- 岡田やよい 著
- あらすじ
- 高校の入学式の夜、右膝に激痛を訴えるえみちゃんが救急病院へ搬送された。数日後、「骨肉腫」と診断され、右足を失う。周囲のだれもが声を失う中、自分を決して見失うことなく前を見つめ、音大入学という夢に向かって歩き続けたえみちゃん。ふとした縁で、えみちゃんの家庭教師となり、共に大検に挑戦し、「がん」と戦った著者がえみちゃんとの友情を赤裸々に綴る感動のエッセイ。
- 判型/頁数
- 四六判/224頁
- 価格
- 1,365円(本体価格 1,300円)/ 在庫 あり
- isbn
- 4_86050_023_7
- 出版日
- 2005.6.01
プロローグ
えみちゃんとの出会いは私にとって思い掛けないものであったと同時に、必然的なものでもあったと思います。ちょうど自分がいろいろ苦しんでいる時期に出会ったのです。
初めてえみちゃんにあったときから、不思議なくらい魅かれるものを感じました。一言、二言話をするだけで不思議な魅力が感じ取れたのです。えみちゃんの周りにはいつも年齢に関係なく、たくさんの人がいました。
多くの人の中心にえみちゃんはいました。
私はその周りを囲んでいる一人だったのです。そして、また、えみちゃんも私に非常に人懐っこく接してくれました。「先生、元気!?」というえみちゃんの声は私の頭の中でいまだにこだましています。今でもえみちゃんの声が頭の中に響き渡っているのです。
何があっても前しか向かない、振り返って反省することはあっても後ろ向きには絶対にならない、そんなえみちゃんは、私にとって教え子であると同時に目標でもありました。
えみちゃんは今こんなに精一杯生きている、私にも出来るはずだ、何回そう思ったことでしょうか。えみちゃんの人生の幹は高さこそ低かったものの、直径は世界中の誰よりも太く、その体積は誰よりも大きかったのです。多分、私が百歳まで生きても体積の大きさは超えられないでしょう。
えみちゃんと私は不思議な縁で結ばれています。私が意識していないところでしっかりと糸が繋がっているのです。たった三年半のつきあいではありましたが、えみちゃんの存在は私の中で最高に大きなものとなっています。
今でもえみちゃんのお墓にふと行きたくなることがあります。何かに悩んだとき、つらいことがあったとき、そんなときには自然とえみちゃんのお墓に足を向けてしまいます。そして、お墓の前でお花を生けながら、お線香をたきながら、いろいろなお話をすると心が安らいでいくのです。
また逆に、とっても良いことがあったとき、そんなときにもえみちゃんのお墓に報告に行きます。「えみちゃん、こんなに良いことがあったんだよ。うれしいんだ!」そう話しに行くのです。
今回、えみちゃんの前向きな生き方、周りの人たちを無意識のうちに明るくする、そんな素晴らしいえみちゃんの存在を世の中の一人でも多くの人に知ってもらいたい、世界中の人に“生きている”ということの素晴らしさを改めて考えてもらいたい、そんな思いからペンをとってみました。
この本を読んで、「生きるってこんなに素晴らしいことなんだ」という生きる喜びを感じていただけたら、そして困難に打ち勝つ力を少しでも得ていただけたら、こんなうれしいことはありません。
えみちゃんが私にくれた?生きる力?をできるだけ多くの人と分かち合いたいと思っています。世界中の人が幸せになりますように!
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