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書籍詳細

タイトル
福祉のための公衆衛生
サブタイトル
保険・医療・福祉間の連係を深めるための公衆衛生
編著役者名
上木隆人 / 住友眞佐美 / 本保善樹 共著
あらすじ
福祉・保健・医療の連携が一層求められている中で、連携のカギとなる公衆衛生の視点から、3分野の共通理解の場を構築する。
判型/頁数
B5判/263頁
価格
2,940円(本体価格 2,800円)/ 在庫 なし
isbn
4_924706_89_2
出版日
2001.1.18

まえがき

介護保険法が発足し、世界に類をみない高齢社会における在宅及び施設におけるケア体制づくりが日本で始まっています。介護保険法の主旨は、在宅療養支援に当初ありましたが、施設療養も含んで体制づくりを進めることになりました。しかし、その現状はヘルパーや施設の不足がみられ、まだまだ多くの課題を残しています。

そのような現実の中では、地域における高齢者、障害者、難病患者のケア体制は、その形をつくることが主となり、ややもすると理念を忘れがちになります。特に日本では前例のない状況に対して体制づくりをしようとしているのですから、模範がありません。著者等は、かつて地域保健活動で培ってきたノウハウをこれからの体制づくりに生かすことが必要と考えています。そのノウハウが公衆衛生と言えます。

今までもそのような考え方を示す言葉がいくつもありました。保健の立場からは在宅ケア、医療の立場からは在宅療養、看護の立場からは在宅看護、継続看護、障害者の立場からは地域ケアなど、それぞれの分野の立場を主体として考えてきた言葉です。しかし、目的とするところは、高齢者、障害者、患者が、地域でまたは家庭で、生活の中で療養を進められる体制をつくろうとしてきたところにあります。介護保険発足前は保健師が地域におけるその体制づくりを一番推進してきていました。

地域の関係機関スタッフが協力して連携体制づくりを行うことは、地域で療養を必要とする高齢者、障害者に対して福祉・保健・医療に関するサービスを提供するときに必ず必要となります。それを協働と称し、最近は随分とその言葉が使われるようになり、ワープロも共同ではなく協働の文字が出るようになりました。本書では敢えてそれを「協動」と言っています。著者が協働というあて字を使い始めたのは昭和62年頃ですが、高齢者対策として行政の中の保健と福祉が協力して働こうという意味で職員に呼びかけました。言葉が使われるようになったのは大変に良いことですが、もっと本来の意味を実践しながら使ってもらいたいものです。それは言い換えれば保健師のケアコーディネーション活動です。

これからは、介護保険法のもとで福祉従事者も主たる推進者となって対象者の在宅ケアの実践体制づくりを行う事が必要です。その際には、保健医療看護従事者が培ってきたノウハウを生かして行くことができます。それらが公衆衛生であり、地域保健活動の理念、考え方、実践方法(ケアコーディネーション)であり、これら公衆衛生知識と技術を持ってもらうことがこれからの高齢社会の体制づくりに役立ちます。

当テキストは2年前に発刊されて、今回改訂の運びとなりました。初版以降の動きを加えて改訂し、福祉従事者や福祉学生のテキストとして一層役立てることができるようにしました。しかし、福祉従事者の目からみればまだまだ不足な点があることと思います。読者の皆様より忌憚のないご意見、ご指摘をいただければ大変幸いです。

本書が福祉従事者の地域における実践に少しでもお役に立てることを願っています。

2003年9月

上木 隆人
住友眞佐美
本保 善樹